コーヒーとミルクを合わせた飲み物はたくさんありますが、その中でも「カフェオレ」「カフェラテ」「カプチーノ」は特によく聞く名前ですよね。名前は似ているのに、実は作り方も役割もけっこう違います。
簡単にまとめると、こんなイメージです。
- カフェオレ
- ドリップコーヒーとホットミルクを同じくらい混ぜた、やさしい味の家庭的な飲み物
- カフェラテ
- エスプレッソとたっぷりのスチームミルクで作る、クリーミーでミルク感の強い飲み物
- カプチーノ
- エスプレッソに少なめのミルクと厚めの泡をのせた、コーヒーの風味もしっかり感じる泡ふわ系の飲み物
ここからは、それぞれの特徴と違いを分かりやすく整理していきます。
3つの違いを一言でいうと
3つをざっくり分けるポイントは次の3つです。
- どんなコーヒーを使っているか
- ミルクをどうやって温めたり泡立てたりしているか
- コーヒーとミルクの量のバランス
これを頭に入れておくと、メニューを見たときにイメージしやすくなります。
カフェオレとは何か
カフェオレはフランス生まれの飲み物で、「カフェ」はコーヒー、「オレ」はミルクという意味です。直訳すると「ミルク入りコーヒー」です。
カフェオレの基本は次の通りです。
・コーヒーの種類
ドリップコーヒー(いわゆる普通のレギュラーコーヒー)やフレンチプレスでいれたコーヒーを使います。
エスプレッソマシンは使いません。
・ミルクの状態
鍋や電子レンジで温めただけのホットミルク。
泡立てずに、そのままさらっとした液体のまま使います。
・割合
コーヒー 1 : ミルク 1 が基本。
コーヒーを少し濃いめにいれて、同じ量のミルクを混ぜるイメージです。
・味と口当たり
苦味はやわらかく、ミルクの優しい甘さが感じられます。
泡がないので、スープみたいにごくごく飲める軽さです。
フランスでは、取っ手のないボウルのような器で出されることも多く、パンやクロワッサンをひたして朝ごはんに飲む、という「家庭の味」として親しまれています。
カフェラテとは何か
カフェラテはイタリアがルーツの飲み物です。「カッフェ」はエスプレッソ、「ラッテ」は牛乳。つまり「エスプレッソとミルク」の組み合わせです。
カフェラテのポイントは次の通りです。
・コーヒーの種類
エスプレッソを使います。
エスプレッソは専用マシンで高い圧力をかけて一気に抽出する、とても濃いコーヒーです。量は少ないけれど成分がぎゅっと詰まっています。
・ミルクの状態
エスプレッソマシンのスチームで温めて、少しだけ泡を含んだスチームミルクを使います。
ミルクの中にとても細かい泡が混ざって、とろっとなめらかな口当たりになります(マイクロフォームと呼ばれます)。
・割合
エスプレッソ 1 : ミルク 4〜6 くらいが目安。
ミルクの量がかなり多いので、コーヒーの苦味はやわらぎ、ミルクの甘さが主役になります。
・味と口当たり
とてもクリーミーでまろやか。
甘く感じやすく、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいタイプです。
・見た目(ラテアート)
表面に描かれているハートや葉っぱの模様は、ミルクの泡の細かさがきれいにできている証拠です。
カフェラテは、味だけでなく「見た目も楽しむ」飲み物になっています。
カプチーノとは何か
カプチーノもイタリア生まれの飲み物です。名前は「カプチン修道士」という人たちの服の色や頭の形からきていると言われています。エスプレッソの茶色とミルクの白い泡のコントラストが、その姿に似ていたからです。
カプチーノの特徴は次の通りです。
・コーヒーの種類
カフェラテと同じく、エスプレッソを使います。
・ミルクの状態
スチームミルクの上に、「しっかりした泡」をたっぷりとのせます。
ミルク部分と泡の部分が、はっきり分かれているイメージです。
・伝統的なイメージの比率
エスプレッソ : ミルク : 泡 が 1 : 1 : 1 とよく説明されます。
実際にはお店によって少しずつ違いますが、「泡がしっかり厚い」ことがポイントです。
・味と口当たり
カップ自体はラテより小さめで、ミルクの量も少なめ。
その分、コーヒーの味ははっきり感じられます。
上の泡はふわふわで、エアリーな軽さがあります。
・タイプの違い
ウェットカプチーノ
ミルク部分が多めで、泡はきめ細かく、ややラテ寄り。
ドライカプチーノ
泡が山盛りで、液体ミルクは少なめ。泡を食べているような感覚になるタイプです。
3つの違いを表で整理
ざっくり違いを表にすると、こうなります。
| 特徴 | カフェオレ | カフェラテ | カプチーノ |
|---|---|---|---|
| コーヒーの種類 | ドリップコーヒーなど | エスプレッソ | エスプレッソ |
| ミルクの状態 | 温めただけのホットミルク | スチームミルク + 薄い泡 | スチームミルク + 厚めの泡 |
| コーヒーとミルクの比率 | 1 : 1 | 1 : 4〜6 | 1 : 1くらい(泡を含めて小さめサイズ) |
| 口当たり | さらっと飲みやすい | とてもクリーミー | ふわふわした泡とコーヒーのコントラスト |
| コーヒーの強さのイメージ | 弱め | 中くらい | 強め |
| 雰囲気 | 家庭的でやさしい | おしゃれでミルキー | ちょっと通っぽい、バランス系 |
この表を見ながら、好みのバランスを考えると選びやすくなります。
シーン別のおすすめの選び方
どれを注文しようか迷ったときは、「そのときの気分」と「コーヒーの強さ」で選ぶと決めやすいです。
・とにかくやさしい味で、朝にたっぷり飲みたい
→ カフェオレ
家でパンと一緒に飲むイメージ。苦味が苦手な人にもおすすめです。
・ミルクたっぷりで、クリーミーな口当たりを楽しみたい
→ カフェラテ
甘めのスイーツにも合うし、カフェでゆっくりするときの定番です。
・コーヒーの風味をしっかり感じたいけれど、ブラックはちょっときつい
→ カプチーノ
泡の軽さとエスプレッソの濃さのバランスを楽しみたい人向けです。
日本での「カフェオレ」「ラテ」のちょっとややこしい事情
日本では、コンビニや自動販売機、紙パックの飲み物などで「カフェオレ」という名前がよく使われます。
・紙パックや缶のカフェオレ
コーヒー牛乳に近い、甘いミルクコーヒーという意味で「カフェオレ」と書かれていることが多いです。
本場フランス式の「ドリップコーヒー1 : ミルク1」とは限りません。
・カフェの「カフェラテ」
たいていはエスプレッソマシンを使った、本格的なカフェラテです。
コンビニのカウンターコーヒーでも、「カフェラテ」と書かれているものは、エスプレッソ+スチームミルクのスタイルが多くなっています。
・なんとなくできているイメージの違い
ラテ=エスプレッソを使った、少し本格的でおしゃれな飲み物
オレ=もっと甘くて、家庭的なイメージのミルクコーヒー
お店によって名前の使い方が違うこともあるので、「エスプレッソを使っているかどうか」「泡があるかどうか」をメニュー説明から読み取ると、本当の中身が分かりやすくなります。
家で作るならどれがやりやすい?
家に本格的なエスプレッソマシンがある人は多くないと思うので、「家庭でも再現しやすいか」で分けてみます。
・カフェオレ
一番かんたんです。
用意するもの
・ドリップコーヒーをいれる道具(ペーパーフィルターなど)
・牛乳
作り方のイメージ
1. 普段より少し濃いめにコーヒーをいれる
2. 牛乳を電子レンジか鍋で温める(沸騰させない)
3. コーヒーとミルクを1:1くらいで混ぜる
・カフェラテ・カプチーノ風
エスプレッソマシンがなくても、「濃いコーヒー」と「泡立てたミルク」があればそれっぽくなります。
コーヒーベース
・モカポット(マキネッタ)
・エアロプレス
などを使うと、ドリップより濃いコーヒーが作れます。
ミルクの泡
・フレンチプレス(コーヒープレス)に温めたミルクを入れ、上下に動かして泡立てる
・小さな電動ミルクフォーマーを使う
泡を少なめにしてミルク多めにすればラテ風、
泡を多めにしてカップ小さめにすればカプチーノ風になります。
最後のまとめ
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違いは、主に次の3つです。
- ドリップコーヒーか、エスプレッソか
- ミルクをそのまま温めるだけか、スチームで泡を含ませるか
- ミルクをたっぷり入れるか、少なめにして泡を厚くするか
カフェオレは、ドリップコーヒーとホットミルクを同じくらい混ぜた、家庭的でやさしい飲み物。
カフェラテは、エスプレッソにたっぷりのスチームミルクを合わせた、ミルク感の強いクリーミーな飲み物。
カプチーノは、エスプレッソに少なめのミルクと厚めの泡をのせた、コーヒーの味もしっかり楽しめる泡ふわ系の飲み物。
メニューを見たときに、「今日はどんな気分かな」「コーヒーの強さはどれくらいがいいかな」「ミルク感はどのくらいほしいかな」と考えながら、この3つを選び分けてみてください。
少し仕組みが分かるだけで、同じ一杯でも、味わい方がぐっとおもしろくなります。

